パーソナルアシスタント町田
vol.138 2018.9 発行

<第138回> 車椅子に乗ってどこまでも(2017 FIPFAワールドカップ編・その2)

第131回のコラムの続きになります。

 手荷物検査も無事に終わり、次は出国審査です。
 私は今まで3度海外に行ったことがあるのですが、出国ゲートで審査官にパスポートを渡すと、大概他の人より顔を何度もジロジロ見られ審査に時間が掛かります。
 今回ワールドカップでアメリカに行った時の行き帰りも同様で、「同一人物か?」と言ってるかのように顔を見られ、最終的には怪訝な顔つきでパスポートを返してくれるといった感じでした。
 確かに、パスポートを作った6年前から体重も10kg増加し、顔つきがだいぶ変わってはいますが、私だけ出国審査に時間が掛かるのはなんとなくちょっとだけ傷つきます。

 出国審査を終え飛行機搭乗まで時間がある場合は、免税店で買い物をしたいところなのですが、機内持ち込み荷物を抱え、更に航空会社が用意してくれた手動車椅子も乗り慣れていないこともあり、あまり色々と見て回ることができず免税店巡りは残念ながら断念。
 そして、いよいよ機内に乗り込みます。

 飛行機へは他の人よりも早めに搭乗することになります。
 機内に乗り込む際、搭乗口手前で手動車椅子から空港用車椅子に乗り移りました。
 空港用車椅子は横幅が小さいコンパクトな車椅子で、大きな後輪を外し小さい後輪に変えることで、車椅子に乗ったまま機内に乗り込むことができます。
 機内に入り後ろ向きで自分の座席まで行くのですが、座席間のかなり狭い通路を通るので、肘がぶつからないよう注意が必要となります。
 車椅子から座席に移る際もスペースが狭いため、私の場合は両脇と足を2人でそれぞれ抱えて頂きなんとか座ることができました。
 座席はエコノミーだと2~3席並びになっていますが、窓側の席になると通路から離れるため乗り移りが困難になる場合もあります。
 通路側がいい・化粧室が近い方がいい等、座席の希望がある場合は、事前に航空会社に連絡することで、座席指定の対応をして頂ける場合があります。
 又、座位を保つのが難しい場合、航空会社によっては事前に連絡することで上体固定用の補助ベルト等を用意してくれます。
 無事搭乗も済み、飛行機はいざアメリカへと離陸。

 約12時間のフライト。長旅です。

 心配していたことの一つが長時間の座位です。
 狭い座席に長時間座ることで窮屈な姿勢が続き、体が痛くなる可能性があります。
 そういったことを防ぐために狭くて身動きが取りづらいものの、時折簡単なストレッチを行ったり、2時間ずつ定期的に臀部を浮かして除圧などをしました。
 又、エコノミークラス症候群にも気をつけなければならないため、予防として水分をこまめに取る・かかとを上げるなどして、血行不良を起こさないように注意しました。

 もう一つ心配していたのは、自分の呼吸です。
 機内の気圧の関係で、呼吸・血中酸素濃度等に何らかの影響が及ぶ可能性をチームドクター・主治医から指摘を受けていました。
 その為、今回機内には自分が使用している人工呼吸器を持ち込みました。
 普段は夜間の就寝時のみ使用している人工呼吸器ですが、機内に持ち込むことで万が一異常が起こった際もすぐ使用できるため安心です。
 人工呼吸器は事前に航空会社に連絡をすれば、限られている機内持ち込み手荷物数とは別に、機内に持ち込むことができます。
 私の場合は、離陸後にケースに入れた人工呼吸器を足下に置いて、いつでも使えるようにしておきました。
 又、血中酸素濃度の変化にいち早く気づけるよう、搭乗中は指にパルスオキシメーターを取り付けていました。

 今回、チームドクターや主治医から様々なことを想定した対応策を考えて頂けたことで、安心して渡航できたと思っています。
 又、普段から車椅子に長時間乗っているため、日頃からエコノミークラス症候群に注意したり体調には気をつけてはいますが、日常と異なる環境下の中での行動は知らず知らずのうちに体に負荷が掛かっており、いつも以上に体調管理に注意することが必要なのだということを強く感じた今回の渡航でもありました。

次回のコラムもよろしくお願いします。


<TA>



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